あふれる涙のドロップス
「…味が…しない!」



「ね、すごいでしょ」



 リンは悪戯っぽく笑ってから、



「亡霊ならではの食べ方なのよ」



 と言った。




 ___リンの笑顔とは裏腹に、僕の心はずしんと重くなる。




 こういう時に、僕は、“死ぬ”ということを実感するのだ。


 
 きりきりと、胸が締め付けられる__。




「ね、今日ももちろん学校に行くでしょ?」



 リンの声に、僕ははっとする。



「ああ…もちろん」



「あたしもついてっていい?」



「…は?」



「だから、あたしも海斗と一緒に学校に行こうかな、と思って」


 
 おいおいおい、と耳を疑った。亡霊と一緒に学校に行く?そんなファンタジックな話がどこにある___。



 ここにあるのである。



 僕が呆然としている間にも、リンは話を続ける。



「ね、いいでしょ?」









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