あふれる涙のドロップス

 帰り道。南さんと別れて、海斗と家へ向かう。


「隆……大丈夫かな?」


 どうしても、そんなことばかり考えてしまう。
 死んじゃうなんて、信じられない。信じられないけれど、もしかしたら______。



「大丈夫だって、信じるしか無いよな」


 俯いたまま、海斗は答える。
 
 海斗の心の痛みは、あたしには計りきれないほど、深いんだろう。


 大事な、大事な友達なのだから。



「隆が助かるように、お祈りしようね!」



 少しでも、君に元気になってほしい。

 
 あたしは、海斗の手をとって、ニコッと笑った。



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