あふれる涙のドロップス

「リン」


 もう一度、海斗があたしを呼んだ。



「顔上げて」



 海斗の声に従って、顔を上げる。



「大丈夫。葉山は、大丈夫だよ」


 
 そう言って、あたしのほっぺをぷに、と押す。


 おお、すっげえ柔らかい!と感動したように言って、もっとぷにぷにしてくる。



「うわぁぁぁ、めっちゃくすぐったい!ちょ、やめて海斗!」



 やめねえよ、と言いながら、ほっぺをつまんで、左右に引っ張る。


 
「仕返しだーっ!」



 あたしも負けじと、海斗のほっぺを思いっきりつかむ。


 
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