あふれる涙のドロップス
「だめ、とは言わないけど…一緒に学校にいくって言ったって、お前はどういう立場でいるの?僕についてくるだけ?それとも、生徒として学校に行くのか?」



「生徒として」



 即答、だった。



 僕はその時、とても変な顔をしていただろう。ムンクの、『叫び』のような__。



「お前…生徒って言ったって___」



「制服のことなら心配しないで。見ててよ…」



 リンは眉間にしわを寄せて、何かを念じているようだった。



「…ほら!」



 時間にしてみれば、十秒ほどだったのだろうか。リンを見た僕は、絶句した。



 リンは、僕の通う中学校のセーラー服を着ていた。



「リン…どういうことだよ?」



 僕の声は、かすれていた。



「コピー、よ」


 
 リンの話によると__、リンの__友達の、制服を、コピーしたらしい。



「ま、所詮幻ではあるんだけどね」



 リンは、淡々とそう付け足した。
< 13 / 145 >

この作品をシェア

pagetop