あふれる涙のドロップス

「リン?」


 あたしを見て、びっくりした海斗が、駆け寄る。



「大丈夫だから、ホント、心配しないで」




「大丈夫じゃねぇ!リン、お前、透けてる!」



 え、と小さな声を漏らし、顔を覆っていた手を外す。


 あたしの膝は、半透明になっていた。




「なん……で……」



 わからない。こうなった、理由がわからない。



「リン!大丈夫か!?」



 慌てた海斗の、悲鳴に近い声が聞こえる。
 

 
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