あふれる涙のドロップス

 はっと気がつくと、元の海斗の部屋に、あたしは居た。


 正しくは、組長も、だ。



「はじめまして。立川海斗くん。リンの上司の、川村と申す」



「……はじめまして」


 不思議そうな顔で、海斗が挨拶を返す。



「リン、あの事は、立川くんに話したのか」


「まだ、です」

 
 そうか、と小さく頷くと、組長は、海斗にはまだ話していない、秘密のことを話しだした。


 

「リンは、もうすぐ君と居られなくなる」
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