あふれる涙のドロップス

 言葉も出ない海斗に、組長は、少しずつ話しだす。


 あたしは、もう一度、本当の人間に、生まれ変わる、ということ。


 すると、皆から、あたしが居た、という記憶が消えること。


 海斗も、あたしのことを、忘れてしまうこと。



「そういうことなんだ」



 組長は、冷たく、言い放った。



「なんで、リンは、僕のところに来たんですか」



「君のことが、幼稚園の時に好きだったからだよ」



 ニヤリと、また組長は笑った。
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