あふれる涙のドロップス
それから一週間。僕らはたくさんデートをしたし、くだらない話もいっぱいした。
姉さんにも、謝ったし、仲直りもした。
葉山だけは、まだ、目を覚ましていなかった。
いよいよ、一週間が経った。
その日、なぜか僕はタイミング悪く風邪をひいており、ベッドで寝ていた。
凛は、ただ、黙りこくったままだった。
「凛」
僕は、君の名前を呼ぶ。
どんどん姿が薄れてゆく凛は、僕の手を取った。
「海斗、大丈夫?」
「僕は大丈夫だ。もう……行っちゃうのか」
凛は、目を閉じて、頷く。
「もう、すぐよ」