あふれる涙のドロップス
数年後。
僕は、歌手としてデビューした。もちろん、相方は、隆だ。
「やー、なんかネタねぇか?」
「ない」
はっきりとそう言った僕に、ジトッとした隆の目線。
「お前は俺と違って頭脳派なんだから」
ブツブツ言っている隆の横で、僕は実家の自分の部屋の整理をしていた。
机の奥をがさがさかき回していると、何か缶のようなものが手に当たった感覚がした。
「?」
それを引っ張りだしてみると、それは、ドロップスの缶だった。