あふれる涙のドロップス

　中にまだドロップスは入っているかと缶の蓋を開けて、振ってみると、カサカサという音がした。



　蓋の中を覗き、その中に入っている紙らしきものを、出してみる。



　紙はだいぶ黄ばんでいて、相当前の物そうだった。



　折りたたんである紙を開くと、それは、どうやら手紙のようだった。



『海斗へ。


　お元気ですか。海斗がこの手紙を読んでいる時には、あたしはもういないと思います。


　また、ドジはやってないですか。皆に笑われちゃうから、気をつけてくださいよ。


　ところで、今この手紙を読んでいる時に、あたしのことは、覚えてる？
忘れちゃったかな。

　生まれ変わりはね、生前の人生に、悔いを持ってちゃダメなの。


　あたしの場合、その“悔い”っていうのが、海斗に好きって言えなかったことなのかな。