あふれる涙のドロップス
 職員室の中で、僕の担任の成瀬先生とリンが話しているのが見える(職員室のドアは、透明なのだよ)。



 最後にリンは一度頭を下げると、ドアの方に向かって歩いてきた。



 
「何してたんだよ」



「んー?転校生としての挨拶」



「手続きは取ってあったのか?」



「組長が取っといてくれたの」



「組長って?」



 リンは一瞬黙りこんでから、早口で



「組織のリーダー」


 
 と答えた。



 そして僕たちは、二年B組へと向かう。



 *  *  *


 
「七瀬 リンです。これからよろしくお願いします!」



 ハキハキと自己紹介をし、微笑んだリンの姿に、男軍から「おおおーっ!」との歓声が上がる。



 __そういやリンの苗字知らなかったな。



 リンの苗字を知らなかったことに今更ながら気づいた。



 ___僕たちはこうして同じクラスメートとなったのだ。



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