あふれる涙のドロップス
*【リン side】*
____昔の記憶が蘇る。
あの日、あたしは病室にいた。
ママとパパが、必死の形相であたしの名前を呼び続けていた。妹の杏(あん)は、訳もわからずポカンとした顔であたしの方を見ていた。
____ママ、パパ、どうしたの?あたしはここにちゃんといるよ?
そう伝えたくて、右手を動かしたかったけど、動かない。
____あーちゃん、どうしたの?いつもみたいに、一緒に遊ぼうよ。
杏と、いつも影踏みをして遊んでいた。親戚の人からは、まるで絵に描いたような姉妹ねっていつも言われてた。
あーちゃん、と呼ぼうとするけど、声がかすれて出ない。
ママの、すすり泣く声が聞こえた。その方を、パパが抱き寄せる。
杏は、周りに漂う空気を敏感に感知して、わあわあと大泣きをし始めた。
だんだん瞼が重くなり、風景もぼやけていった。
お医者さんが、最後に何か呟いたのが見えたが、何を言ったのかは聞こ取れなかった。
病院の、薬みたいな匂いが鼻についたのと、白すぎるシーツが目に染みたのは、最後まで変わらなかった。
あの日、あたしは病室にいた。
ママとパパが、必死の形相であたしの名前を呼び続けていた。妹の杏(あん)は、訳もわからずポカンとした顔であたしの方を見ていた。
____ママ、パパ、どうしたの?あたしはここにちゃんといるよ?
そう伝えたくて、右手を動かしたかったけど、動かない。
____あーちゃん、どうしたの?いつもみたいに、一緒に遊ぼうよ。
杏と、いつも影踏みをして遊んでいた。親戚の人からは、まるで絵に描いたような姉妹ねっていつも言われてた。
あーちゃん、と呼ぼうとするけど、声がかすれて出ない。
ママの、すすり泣く声が聞こえた。その方を、パパが抱き寄せる。
杏は、周りに漂う空気を敏感に感知して、わあわあと大泣きをし始めた。
だんだん瞼が重くなり、風景もぼやけていった。
お医者さんが、最後に何か呟いたのが見えたが、何を言ったのかは聞こ取れなかった。
病院の、薬みたいな匂いが鼻についたのと、白すぎるシーツが目に染みたのは、最後まで変わらなかった。