あふれる涙のドロップス
 あたしが死んでから、3年経った時のことだ。



 その時、あたしは8歳だった。



 ____僕らの組織に入らないかい…?


 
 ダークスーツを着こなした男性が、ある晩、あたしの前に現れた。



 ____組織って、どんな…?



 
 ____…それは来てからのお楽しみ。




 その瞬間、あたしは光の渦に巻き込まれた。




 *  *  *




「ふうん、おめえが七瀬 鈴か。なかなかいい顔してんじゃねえか。よし、今日からおめえの名は七瀬 リンだ。いいか、リンだぞ。これからは人にリンと名乗れ」



 やたらめったらガラの悪い『組長』と呼ばれる鍛えられた体の持ち主の川村 大輔(かわむら だいすけ)は、ファイルをめくりながらあたしの方を見た。




「おめえの階級は、『幹部候補生』だ。いつかは幹部になれることが約束されている。ま、今はよくわからんでもええ。ここで過ごしていれば、自然にわかってくるはずだ」




 組長はめくっていたファイルをぱたんと閉じると、あたしに向かって、こう言い放った。



「リン。初仕事だ」



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