あふれる涙のドロップス
「こらー、立川遅刻ー!」





 担任の原西 高雄(はらにし たかお)先生に、おもいっきり怒鳴られる。





「すいませーーん!」





「す“い”ませんではない。す“み”ません、だ!」





 おお、さすが国語教師。細かいところまでチエックしている。





「今度からは気をつけろよ」





 原西先生は「ふん」と鼻を鳴らしてから皆の方に向き直った。リンはというと、すました顔をして席に付いている。……あいつ、僕を置いて家を出たな。





「では早速、だが……今日のHRでは、後期の学級委員を決める」





 ちなみに僕の学校は、前期、後期制になっており、4月から10月、11月から3月というふうになっている。





 この学期のわけかたのいいところは、成績表を二回しかもらわなくて済むということだ。




 ありがたい、ありがたい。




 学級委員なんて僕にゃあ関係ねえや、とかなんとか考えてボケーッとしてると、いきなり僕の名前が呼ばれた。
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