あふれる涙のドロップス
「何者かって?そうねえ…あえて言うならば__亡霊(ゴースト)」






「ゴ…ゴースト?」






 僕の手先は、カタカタと震えている。






「そ」



 
 
 リン__と名乗るゴーストは、大きく頷いた。






「でも、見て」





 そう言って、リンは自分の足を僕に見せた。





「あたしには、きちんと足があるわ。人間界では、亡霊は足がない、とされているみたいだけど」






「それじゃあ亡霊じゃないじゃないか」






 僕がそう呟くと、リンは首を振った。





「ううん。あたしは身を持ったゴーストなの。__上司から命令を受けて、ここに来たのよ」





 リンの話をまとめると__リンは、身を持ったゴーストらしい。ちょっと恐ろしい話だが、何らかの理由でリンは一度、命を落としている。


 



 そして、ある組織のリーダーから、ここに行くよう、指令があった。





 指令があったわけだもんで、リンは、生前の自分の体を使って、ここへ来たそうだ。



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