あふれる涙のドロップス
「ちょっと実験して遊ぼうと思ったら失敗しちゃった」



 とりあえず動揺を隠すために、テヘッと笑ってみせた。



 立川くんは、そんなアタシを見てから、風にもたれかかって、



「……なんか用?」



 とアタシに訊いた。



「あのね……」




 高鳴る心臓のときめきを抑えながら、アタシは髪を撫でながら言った。




「あたしのお願い、聞いて欲しいの」




 アタシはしっかりと立川くんの顔を見た。




「ねえ……立川くん……」




 両頬が熱くなっていくのを感じる。




「あたしと……付き合ってください」



 
 急に恥ずかしくなって、アタシは下を向いた。



 しばらく時間が経った。
< 69 / 145 >

この作品をシェア

pagetop