あふれる涙のドロップス
 馬鹿だ馬鹿だ、アタシ。ほんっっっと馬鹿。大馬鹿野郎だ。



 _____どーせあたし、立川くんが七瀬 リンとかいう転校生と付き合ってるっていう噂知っててそう言ったんでしょ?



 自己嫌悪が半端ない。



 あと、ムカつきも。


 ______立川くんは、なんであの子を選んだの?



 ______なんでアタシじゃダメなの?



 ______なんで、なんで______



 
 たくさんの『なんで』が、限りなくアタシに襲いかかる。



 今日は、立川くんに告ってから一週間が経つ。



「はぁぁ………」




「どーしたのー。珍しく黄昏れてんじゃん、遥香」




「いやー、ちょっとねー」



 アタシは女子ソフトテニス部に入っている。今は休憩中。そんなときに、今までのことを考えていたら、なんかブルーになってしまった。



 そこへ話しかけてきたのは、部活仲間の高嶋 桐子(たかしま きりこ)、あだ名『キリ』。色素が薄い感じの子で、性格も天然っぽいから、男子にも人気。



「いつも遥香、並外れて元気なのにね」



「並外れてとは何よ-」



「エヘヘ」


 
 こんな感じ。
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