あふれる涙のドロップス
「ねぇ、キリ」



「んー?」



 キリは水玉模様の水筒のお茶をゴクゴクと飲みながら返事をした。



「キリはさ、彼氏いるじゃん?それでもさ、なんか、不安になること、みたいなこと、ある?」



「そりゃあるよ」



 キリは即答した。



「だって、私の彼氏の吉川くんはさ、めっちゃかっこいいの。イコール、モテるじゃん。そうするとさ、吉川くんの高校の、美女たちに取られちゃったらどうしよ-っ……っていつも思ってるもん」



「……そっか」



 アタシは俯いた。



「ねぇ、キリ。聞いて欲しいの」


 
 この子のことは、信用できる。これは、アタシの直感。


 
 そして、アタシはいつの間にか、今までの経緯を話しはじめていた____。



  *  *  *



「そっか_____」



 
 キリは、水筒を両手で包み込むようにして持って、



「大変だったね」



 一言目に、そう言った。



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