あふれる涙のドロップス
「女テニからのお知らせなんて、嘘。武藤くんと、どうしても話したかったの」





「何を」





 アタシは頭を下げたまま続けた。





「この前のこと」




 
 言ってるうちに、下の地面がぽたぽたと落ちる雫で濡れる。




 _____いやだ、アタシ。泣き虫。





「アタシのこと。好きになってくれて。……ありがとう」





 滴る雫の大きさは、どんどん大きくなる。





「ごめん。本当に_____」





 嗚咽が止まらなくなった。



 手の甲で目を押さえたけど、涙は手の甲を伝っていく。




「もういいよ」




 武藤くんが、口を開いた。




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