あふれる涙のドロップス
「頭上げてよ。南」





 きっと顔はめちゃくちゃになってる。それでも、顔を上げた。





「……いい、人見つけて。幸せになってください」




 
 武藤くんは、静かに微笑みながら言った。





「……ありがとう……」





 アタシはきっと、ここから強くなっていける。




 そう、確信した。





『ありがとうございました!!』





 元気の良い声が、武道場から聞こえてきた。




 
「部活終了時間か」




 
 武藤くんがポツリと言った。




 その途端、わらわらと武道場から人が出てきた。


 

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