あふれる涙のドロップス
あの日。それは、南が立川に告った日のことだ。
俺は、あの日南に、“立川くんを、昼休みに理科室に呼び出してほしい”と言われたのだ。
別にあの時は、南の馬鹿力に惹かれていただけだったから、ホイホイ立川にそれを伝えた。
たまたま、その日に、立川といる時に、南を見かけた。
立川に、南のことが、『好きなのか?』と訊かれて、首を振ったが、そのうち俺が南の馬鹿力を見たがっている、ということがバレたら、と思うと
なんか、恥ずかしくて、心臓がバクバクした。
それに、あの時の南の顔を見たら
絶対アイツは、本当の自分を、自分で知らないうちに押し隠してるんだ、ということに
気がついた。
アイツの本当の姿が
アイツ自信が、いつでも出せるようにしてやりたい
そんなことを、考えてしまったんだ。