あふれる涙のドロップス

 そして、昼休みの後。




 立川に、『どうだった?』と訊いてみた。





 ____別に。





 これは、立川が何かを隠している時の台詞だ。





 それに、立川のあの時の表情が





 南と何があったかを物語っていた。




 俺はその瞬間、本当の南を、知ったんだ。




 その日の部活の時間。




 俺は、南とすれ違った。





 彼女は、すごく、怒った顔をしていた。




 でも、それと同時に。




 君の顔は、とても、寂しそうだったんだ。





 

 
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