あふれる涙のドロップス
「…ふーん」
果歩は、無言でジュースを啜った。
「…その子、学年一モテるのよね?」
「ああ」
俺が頷くと、果歩は口を閉じた。
「その子、ちょっと個性的な子みたいだけど」
果歩は苦笑交じりに言った。
「隆らしい。頑張れ」
果歩は短い髪を右手でかきあげた。これは、果歩の心からの言葉を出した時の癖だ。
「おう!」
元気に俺は、返事をした。
「ところで」
果歩は頬杖をつきながらため息混じりに言った。