あふれる涙のドロップス
「応援するけどさ、どうやんの?」
「は?何が」
「どーやって、その子とカップルになるのかって」
「なんにも考えてない」
果歩がポカンと口を開けたまま固まった。
「なんだって?」
「なんにも考えてない」
しばしの沈黙。
「はああああああああ!?」
おお、こういう反応をするのが、多少のギャルっぽさが出てるな。
「あんた、なーんにも考えてないの!?」
「そう」
俺はそんなことちっとも考えていなかった。
ただ、南のことが、好きだと自分で気づいただけで。
「うん。これこそ隆だ。うん」
果歩は、納得行かないことを納得行くように自分に言い聞かせている。