あふれる涙のドロップス
「自衛隊って……」
「まぁ、まずはご試着下さい」
俺はあっという間に果歩に試着室へと押し込まれ、服も一緒に吹っ飛んできた。
「お客さま。古着とは言え、これも商品ですので、くれぐれもお大事に扱ってください」
「あ~らすみません」
外から店員と果歩の話し声が聞こえてくる。チャラいぞ、果歩。
とりあえず試着をして、試着室を出てみた。
すると……
「いいじゃない、隆!」
「お客様、よく似あっていらっしゃる!」
店員と果歩の歓声が響く。
「これください!」
果歩はキラキラとした目で店員に向かって言った。
「はい。合わせて500円になりますが、これだけでよろしいでしょうか?」
店員が俺たちに訊く。