あふれる涙のドロップス

「500円!?もしかして今、セール中?」





「はい、30%OFFとなっております」





「じゃあ、あたしもちょっと見てくるので、待っててください!」





 そう言うと果歩はそれこそ風のようにその場から店員をん残して消え、ついでに俺も引っ張っていった。






「わ~、すごいわね。このワンピ、似合う?可愛くない?」





 果歩は水色の涼し気なワンピースを身体に当てて、ひたすら似合うかを聞いてくる。




 
 だが。




 俺は、女でない。当たり前だ。今さら何を言わせる。





 だから、女物には興味が全くない!




 ぼけーっとしていたら、後ろから聞き覚えのある声に呼びかけられた。




「あれ、葉山くん?」




 後ろから声を掛けてきたのは、七瀬 リンだった。




「七瀬?こんなところでどうしたんだ?」
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