アイカワラズ -Ten Years-

「なんだよ」

「恭子にね、高木も富士高狙ってること言ったらさぁ…」

ボッ!

「おっ、おっ、おっ、お前っ!そそそそ、そんなこと、誰が言えっつったっ!!」

お、高木、真っ赤な顔で、マジで怒っとります。

「まあ、最後までききなさいよ。言ったらね、恭子、なんて言ったと思う?」

「し、知るかっ」

「『富士高って、あんまり受ける人がいないから不安だったんだけど、高木くんが一緒なら嬉しいなぁ』って」

「え…?」

人間、こんなにもボケッとした顔が出来るもんなんだ。

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