アイカワラズ -Ten Years-
「バッチリ、かな」
「マジで?」
「うん、数学なんて、恭子に山かけてもらった所が、思いっきり出たのよ」
「マジかよ」
運のいい奴め。
「高木も恭子に習っとけば、よかったね」
高木から『ボッ』って、音が聞こえたような気がした。
「ばっ、ばっ、馬鹿言うなっ」
ははははははっ。高木ぃ。名前だけで、真っ赤になるなよぉ。
「ははっ、じゃあね」
高木を見て笑いながら杉本は、俺らと別れてバドミントン部の部室へ向かった。