終わらない恋
ななとはなは違うってわかっているにも関わらず俺はどうしても二人を重ねてしまう。




あんなにそっくりだなんて…




違反だよ……




「芦澤君、待って!」



後ろからななが体を起こして俺を呼び止めた。




「……何?」



俺はななを見た。


「私、早瀬ななって言うの。四組だけど……よければ仲良くしてくれる?」



――は?




俺はこいつが何を言っているのかさっぱりわからなかった。



だっていきなりキスしようとした人なんだぜ?



「何かあるんだろ?」



背の低いななを見下ろして言う。



「な……なにもないよ!」




嘘丸見えのしゃべり方。




――そっくりだなぁ




「お前なんかと仲良くなんかなりたくないぜ」



そう言い捨てて俺はななの前から去った。
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