終わらない恋
芦澤友宏は特に動いたりせず静かに言った。




「芦澤はやめろ。名字で呼ばれるの嫌いだから。」


「……やだ。」



私は友宏を見上げると腕を放してくれた。


「生意気!まじむかつく」


友宏はそう言って私の額にデコピンをくらわした。


「痛っい!!あんたの方がむかつくんですけど!」

「あれ?なな?」




一組の教室を見ると健太が顔を出していた。



「あ、健太ちょうどよか……」



ぐいっ



「へ?」




健太は私を自分の方に引き寄せた。



「なな、芦澤には関わらない方がいいから。」



健太は耳元でそうつぶやいた。
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