終わらない恋
「雨っていつ止むのかね?」



俺はカーテンを勢いよく開けると外はまだ雨が降っていた。


「私、もう大丈夫だよ。制服乾いたし。傘貸してくれない?」



「おっおう。」



俺はなんだか普通に話せなかった。



「このオレンジの傘使えよ。」


「うん。ありがと。」


「あ、途中まで送って行くよ。」


俺は慌てて靴をはくとなながすかさず言った。


「いいよ。一人で帰る。」


「は?バカ。遠慮すんなよ。」


「遠慮なんかしてないよ。」



いきなりななは大きい声をあげた。


「いきなりなんだよ。」



「私は……」



ななの瞳に涙がたまっていたのがわかる。



「私は、」


もう一度言ってからななは俺の目を直接見た。



「私は、はなさんじゃないから。」
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