終わらない恋
いつの間にか本当に寝てしまっていた私は気づいたら夕方になっていた。



隣を見ると芦澤がまだベッドで横になって寝ていた。



「ありがと。」



私は先に行くという置き手紙を残して保健室を出た。



もう教室には誰もいなくて私のカバンだけが机の上にポツリとあった。




学校を出てもう一度後ろを振り返った。




「芦澤……。」



こんなに愛しくて


こんなに大好きな人。



でもあなたの瞳に映っているのは



私じゃなくて………






「はな!?」



「……え?」



その声に振り返った。



「はなだよね?会いたかった。」



黒髪で長く、目は細めだけどきれいな顔立ちをした人だった。



制服はこの辺りで見たことのないものだった。




「人違いです。」



冷たく当たるとその人は寂しそうな顔をした。




「だよね………」



ふっと笑った顔は力なく、今にも泣き出しそうだった。
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