Treasure
出会い
高校卒業して
夢を追いかけ
島根という田舎から
一人の小さくて弱虫な來未という女の子が家族に見送られ岡山にある大学に進学した。
そこで出会った一人の男。
來未はその男によって人生が一変するなどこの時は気付きもしなかった。

―大学に入って2週間―
來未は同じ島根出身の西先輩と仲良くなった。
「せんぱーい」

「どうした?」
いつも先輩が集まる広場が來未は好きだった。
「今日教室の場所間違えちゃった(笑)」
「來未は妹みたいやな。」
來未は西先輩に可愛がられていた。
「あっ!俺の友達紹介するゎ。こいつ。宏っていうんだ。こいつにも可愛がってもらえ。」
「よろしくな。」
宏は笑顔で來未に挨拶した。
「よろしくお願いします。」
來未も笑顔で挨拶した。
宏の横には巻き髪のきれいな女の人がいた。
「俺の彼女。」
來未は挨拶したが彼女は携帯に夢中だった。
來未はショートカットで化粧などしたことがない。
彼女と正反対のごく普通の女の子だった。


宏「これめっちゃうまいで。」宏はこの日限定のちらし寿司を口いっぱいにして食べていた。
來未はそんな宏を見て心が和んだ。
宏「お前ら付き合ってんの?」
宏は來未と彰を指差してた。
彰は來未が入学してすぐ仲良くなったただの男友達。
「全然そんなんぢゃないです!ただ仲良くて…」
來未は必死に弁解した。

誤解されたくなかったから。

必死になっている來未を見て宏は笑っていた。
「いつも見てて一緒に居るから付き合ってんのかと思ったょ。」
宏はちらし寿司を食べながら言った。

…いつも見てて?
…そんなに目立つのかな?

來未は嬉しくなった。
どこかで見ててくれたんだ。
そう思った。

これが二人の出会い。
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