Treasure
―次の日―
あの大好きなベンチにいつものように行くと宏がいた。

横には彼女はいなかった。

宏「おはよう。」
來未「おはようございます。」
彼女と本当に別れたのかな…
來未は小さく聞いた。
來未「彼女は今日いないんですか?」
宏は少し下を向いて黙った。
そして小さい声で答えた。
宏「別れたんだ。3年付き合ったんだけどな。」

3年…入学してすぐ。
宏のこれまでの大学の思い出は彼女との思い出でいっぱいだったのだろう…

宏は顔をあげて來未を見つめた。
宏「俺最低だょな…3年も付き合った奴と別れるなんか。」
來未は心のどこがでまだ吹っ切れてない宏の気持ちを悟った。
來未「まだ遅くないと思いますよ。人と付き合ったことなくて分からないけどきっとまだ間に合うと思いますよ。」
來未はそんなこと言いたくなかった。
でも悲しんでいる宏の顔を見るのが辛かった。
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