君と歩く未知

　遠ざかった意識が戻った時、アタシは人気のない倉庫の中に連れ込まれていた。
アタシはまだ気絶しているふりをして、息を潜める…
数人の男がアタシを囲んでいる…
もう、何をされるかなんて予想がつくよ。
レイプなんて、ヤダ…
アタシは、アタシの上にまたがって制服を脱がしている男を両手いっぱいに力を込めて突き飛ばした。
男はすでに目を覚ましていたアタシに一瞬驚いただけ…男の体がアタシから離れることはなかった。
「クソ、この女ナメた真似しやがって！」
そう言った男はアタシの顔を殴る…
「早くヤッちまえよ！」
甲高い女の笑い声。
「ヤダ！痛い、痛いよ…」
アタシの声は誰にも届かない。
怖くても痛くてももうこの悲しみからは逃れられない…
汚れてしまったこんなアタシじゃ、カズくんだってきっと冷めてしまうに決まってる…
でも、そんなの絶対イヤだよ。
アタシとカズくんの出会いは運命なのに…
こんな風に断ち切られてしまうなんてヤダよ…
カズくん、ゴメンね。
こんなことになってしまったのは、アタシ自身のせいだよ。
アタシがもっと気を付けて夜道を歩いていれば良かったんだよ…
アタシが夏祭りの日にカズくんの行為を拒んでいなければ「初めて」をこんなヤツらに奪われることもなかったんだよ…
アタシの体に、自分に対するに憎しみと後悔が湧き上がって、アタシは強く目を閉じた。
「カズくん…」
アタシは小さなか細い声でカズくんを呼んだ。