君と歩く未知
 …決めたんだ、アタシは、生きる。
だけど決して表情豊かに生きない。
…もうお父さんは死んでしまったから、笑うことも泣くこともできないんだもの。
お父さんから全てを奪ったアタシが幸せに生きるなんて…許されないよ。

 絶望のふちに追いやられたアタシがたどり着いた答えはそれだった。
それは、とても悲しい生き方。
とても寂しい生き方。
だけど、もう元には戻せないもの。
ごめんね、お父さん。
こんな非道な娘でごめんね…。

 アタシは、独りぼっちで笑いもせず、泣きもせず生きることに決めた。
今日アタシは本当の意味で、一人っ子になった。
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