君と歩く未知
 それから、アタシとカズくんはキスを交わした…
何度も何度も…二人の愛と絆を確かめるように。
アタシはただ嬉しくて仕方なかった。
だって、もうこんな風に二人愛し合うことはできないって思ってたから。
この二週間、どんなに不安だったか…
 ねぇカズくん。
最初の一週間はカズくんが一生懸命メールを送ってくれた…でも、アタシが返信しなかったせいで、ある日ピタリとカズくんからのメールが来なくなってしまったよね。
あの時アタシはすっごく怖かったんだ…
カズくんを失ってしまうかも知れないって直感的に思ったんだよ。
そうしたら今度はカズくんがアタシからのメールに返信をしてくれなくなっちゃったよね。
あれはカズくんなりに理由があったんでしょ?
今ではそんな風に考えられるけど、ついさっきまではそんな理由なんて頭の片隅にも浮かばなかったの。
あのね、結局アタシが言いたいのは…
カズくんがいてくれなきゃアタシは何もできないって言うことなの。
カズくんを失うかも知れないって思っただけで、アタシは不安で仕方なくなってしまう…
カズくんの存在はアタシにとって、何よりも大切なの。
 ふと、カズくんと目が合った。
アタシは少し笑う。
でも、カズくんは愛想笑いさえしてくれない…
アタシは首をかしげた。
カズくんは真面目な顔で言った。
「弥生…愛してる」
そう言って、カズくんはアタシに抱きつき、アタシの体をゆっくりと床に倒した。
突然のことに驚いていたけど、アタシはすぐに事態を把握した。
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