君と歩く未知
駅に着いても、ほとんど人はいない。
制服姿のアタシは少し浮いて見えた。
…でも、ベンチに座ってる誰かも同じように浮いて見えた。
アタシと同じ学校の男子の制服。
うつむいて座っている。
アタシははっとした。
「カズくんっ!?」
アタシが呼びかけると顔を上げて立ち上がったのはやっぱりカズくんだった。
カズくんはアタシの元へ駆け寄って来てくれた。
「弥生、こんな早くにどうしたんだよ!?」
アタシはニコニコ笑いながら答えた。
「んーとね、眠れなかったからいつもより早く家を出てみたの。それで、カズくんは何でこんなところにいるの?」
カズくんは笑いながら答えた。
「オレも眠れなくって始発でさっきここに来たんだ、弥生を迎えにきたんだよ。…それにしても一睡もできなかったのか?仕方ないお母さんだな…体壊すなよ、元気な赤ちゃん産んでくれよ?」
カズくんは心配そうにアタシを見つめた。
アタシは目を見開いてカズくんを見た。
カズくんはニコッと笑ってアタシを抱き締めた。
「不安にさせてごめんな。オレ…弥生にオレの子産んで欲しいんだ。オレ、働くよ。二人でその子幸せにしてあげよう?…弥生は、産みたい?」
アタシはカズくんの胸の中で大きく頷いた。
アタシの目にはじんわりと涙がにじんでくる…
「もう、カズくん、泣かさないでよ。アタシ泣き虫やめるんだ、お母さんになるんだもん。泣いてばっかりじゃ赤ちゃんに笑われちゃうよ」
カズくんは強くアタシのことを抱き締めてから言った。
「じゃあ、オレの胸ん中で泣けば良いよ。誰にも見えないだろ?」
そしてその後、カズくんは照れたように「今日だけな」と付け加えた。
カズくんにそう言ってもらった後、アタシは声を上げて泣き出してしまった。
そんなアタシを強く抱き締めたまま、カズくんは
「オレ、幸せ者だな」
と、小さな声でつぶやいた気がした。
制服姿のアタシは少し浮いて見えた。
…でも、ベンチに座ってる誰かも同じように浮いて見えた。
アタシと同じ学校の男子の制服。
うつむいて座っている。
アタシははっとした。
「カズくんっ!?」
アタシが呼びかけると顔を上げて立ち上がったのはやっぱりカズくんだった。
カズくんはアタシの元へ駆け寄って来てくれた。
「弥生、こんな早くにどうしたんだよ!?」
アタシはニコニコ笑いながら答えた。
「んーとね、眠れなかったからいつもより早く家を出てみたの。それで、カズくんは何でこんなところにいるの?」
カズくんは笑いながら答えた。
「オレも眠れなくって始発でさっきここに来たんだ、弥生を迎えにきたんだよ。…それにしても一睡もできなかったのか?仕方ないお母さんだな…体壊すなよ、元気な赤ちゃん産んでくれよ?」
カズくんは心配そうにアタシを見つめた。
アタシは目を見開いてカズくんを見た。
カズくんはニコッと笑ってアタシを抱き締めた。
「不安にさせてごめんな。オレ…弥生にオレの子産んで欲しいんだ。オレ、働くよ。二人でその子幸せにしてあげよう?…弥生は、産みたい?」
アタシはカズくんの胸の中で大きく頷いた。
アタシの目にはじんわりと涙がにじんでくる…
「もう、カズくん、泣かさないでよ。アタシ泣き虫やめるんだ、お母さんになるんだもん。泣いてばっかりじゃ赤ちゃんに笑われちゃうよ」
カズくんは強くアタシのことを抱き締めてから言った。
「じゃあ、オレの胸ん中で泣けば良いよ。誰にも見えないだろ?」
そしてその後、カズくんは照れたように「今日だけな」と付け加えた。
カズくんにそう言ってもらった後、アタシは声を上げて泣き出してしまった。
そんなアタシを強く抱き締めたまま、カズくんは
「オレ、幸せ者だな」
と、小さな声でつぶやいた気がした。