君と歩く未知
 それと…
「弥生ー!お疲れー!卒業式、超だるかったねー」
アタシを呼ぶこの明るい声は…
「サチー、ホントだるかったねー」
 サチ…あの日、アタシたちと大ゲンカをした、あのサチ。
アタシはあの後サチと仲良くなったの。
最初のうちはなかなかお互いをわかり合えずにケンカしてばっかりだったけど、アタシはどうしてもサチと仲良くなりたくて頑張った。
どうしてそんなに仲良くなりたかったかって?
だって、サチは酷く歪んだ性格だったし、そんなに歪むのには何か理由があるんだと思ったから。
それにきっと、あの日サチを殴ろうとしたカズくんだってサチのことを心配しているはずだもん。
案の定サチは家庭に複雑な事情を抱えていた。
それを一人で心に抱えていたんだ…
だからあんな風な性格になってしまったんだね。
…でも今は大丈夫。
サチは明るくて強くなった。
そして、アタシや美和ちゃんたちとすごく仲良くなったんだ。
 アタシはサチと一緒に美和ちゃんたちの待つある場所に向かった。
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