君と歩く未知
アタシは昨日、木塚から言われたことを必死で忘れようとバイトに明け暮れた。…でもアタシは一体いつまでこんな小汚いバイトを続けるつもりなんだろう。だんだん嫌気が差してきた。…いや、そんなことない。今は木塚の言葉の影響を受けているだけだ。自分の生き方に自信を失っているだけだ。
その日の放課後、アタシはいつものアタシの小さな部屋へ向かった。ドアを開けるとそこには木塚がいた。
「遅いじゃん、何してんのさ。ホラ、早く絵の続き描きなよ」
アタシはびっくりして木塚に聞いた。
「ねぇ、木塚。なんであんたこんな早くから来るのさ」
木塚は笑いながら言った。
「いいじゃん別に。そっちが昨日『来ても構わない』って言ったじゃん。ってゆーかさ、その木塚って偉そうに呼ぶのやめてくれる?他の女子はオレのこと『カズ』とか『カズくん』とか呼んでくれるのに」
「いいじゃん別に。あんただってアタシのこと『小林』って偉そうに呼ぶじゃん」
アタシは木塚と同じような言い回しで言った。
「だってそっちが下の名前教えてくれないからじゃん」
アタシは小さい声で、ボソっと言った。
「…やよい」
木塚はパッと顔を上げた。
「なんて言った?」
アタシはハッキリ言った。
「小林 弥生…」
木塚はにっこり笑った。まるでいたずらっ子みたいな顔で、高校生だとは思えない笑顔だった。
「そっか、弥生か。…ほら、もたもたしてないで早く描けよ」
木塚はアタシに筆を差し出した。アタシは筆を受け取ってから言った。
「ねぇ……カズくん!昨日は本当にごめんなさい…アタシ…」
「もういいよ。気にすんなよ。話したくなればいつでも聞いてやるよ」
あたしの言葉をさえぎって、カズくんはそう言った。アタシは少し照れて、筆に黄色い絵の具を付けて昨日の続きを始めることにした。
「でもカズくんかぁ・・・弥生のことだから偉そうに『カズ!』って呼び捨てると思ったんだけどなぁ…ツンデレか?」
アタシは振り返ってカズくんの顔を見て言った。照れて少し顔が熱い。
「ありえない!ってゆーかカズくんは呼び捨てられたかったの?ドMだね」
そういうとカズくんは笑ってアタシの頭を叩いた。叩かれた振動で一つだけ黄色い渦が少し大きくなってしまった。カズくんが笑うから、アタシもつられて少し笑ってしまった。
その日の放課後、アタシはいつものアタシの小さな部屋へ向かった。ドアを開けるとそこには木塚がいた。
「遅いじゃん、何してんのさ。ホラ、早く絵の続き描きなよ」
アタシはびっくりして木塚に聞いた。
「ねぇ、木塚。なんであんたこんな早くから来るのさ」
木塚は笑いながら言った。
「いいじゃん別に。そっちが昨日『来ても構わない』って言ったじゃん。ってゆーかさ、その木塚って偉そうに呼ぶのやめてくれる?他の女子はオレのこと『カズ』とか『カズくん』とか呼んでくれるのに」
「いいじゃん別に。あんただってアタシのこと『小林』って偉そうに呼ぶじゃん」
アタシは木塚と同じような言い回しで言った。
「だってそっちが下の名前教えてくれないからじゃん」
アタシは小さい声で、ボソっと言った。
「…やよい」
木塚はパッと顔を上げた。
「なんて言った?」
アタシはハッキリ言った。
「小林 弥生…」
木塚はにっこり笑った。まるでいたずらっ子みたいな顔で、高校生だとは思えない笑顔だった。
「そっか、弥生か。…ほら、もたもたしてないで早く描けよ」
木塚はアタシに筆を差し出した。アタシは筆を受け取ってから言った。
「ねぇ……カズくん!昨日は本当にごめんなさい…アタシ…」
「もういいよ。気にすんなよ。話したくなればいつでも聞いてやるよ」
あたしの言葉をさえぎって、カズくんはそう言った。アタシは少し照れて、筆に黄色い絵の具を付けて昨日の続きを始めることにした。
「でもカズくんかぁ・・・弥生のことだから偉そうに『カズ!』って呼び捨てると思ったんだけどなぁ…ツンデレか?」
アタシは振り返ってカズくんの顔を見て言った。照れて少し顔が熱い。
「ありえない!ってゆーかカズくんは呼び捨てられたかったの?ドMだね」
そういうとカズくんは笑ってアタシの頭を叩いた。叩かれた振動で一つだけ黄色い渦が少し大きくなってしまった。カズくんが笑うから、アタシもつられて少し笑ってしまった。