君と歩く未知
アタシはその日ひどく思い悩んだ。
でも、そうやって考えているうちにも被害は広がる。
休み時間にあたしの肩にわざと当たってみたり、授業中には消しカスや紙くずがアタシを直撃した。
なんて陰険なんだろう。
なんて酷いんだろう。
…アタシはどうしようもない悲しみに襲われた。
もしもこれが、カズくんと出会う前だったらアタシは案外乗り越えられたかもしれない。
…カズくんの…人間の優しさに触れてしまったから、余計に人間の汚い部分がイヤでイヤで仕方がなかったんだと思う。
そんなこと言う自分が本当は一番汚い人間なんだけどね…。
それでも何とか一日乗り越えて、どうしても独りになりたくて今日は美術室に向かわずに帰ろうとした時だった。
下駄箱に…アタシのローファーがなかった。
捜しても捜しても出てはこなかった。
だけど、ローファーがなければ帰ることもできない。
アタシは一生懸命捜した。
ゴミ箱の中…自転車置き場の裏のゴミ置き場。
だけど、体育館の傍の溝でそのローファーが見つかった時、アタシは落胆した。
白の修正機で酷い落書きがされてあった。
「キモい」「うざい」「死んでくれる?(笑)」
アタシは涙をこらえるようにそのローファーぎゅっとを抱きしめて校舎へと入っていった。
するとカズくんが階段を駆け下りてきた。
息を切らしながら、汗をいっぱいかいてアタシを見てにっこり笑った。
「どうしたんだよ、弥生。オレ校舎の中捜しまくってたんだけど、二週目よ?」
アタシはカズくんに見られないようにローファーを後ろに隠した。
「うん。ちょっと、いろいろあってさ。ごめんね、メールでも入れとけばよかったよね」
「ホントだよ。ケータイはつながんねぇし…って何?ソレ?」
カズくんはローファーを指差して言った。
アタシは開き直って、ニコニコしながらローファーをカズくんに見せた。
「あぁ、これ?なんかペイントされちゃったみたい」
カズくんの目の色が変わったことにアタシはすぐ気が付いた。
でも、そうやって考えているうちにも被害は広がる。
休み時間にあたしの肩にわざと当たってみたり、授業中には消しカスや紙くずがアタシを直撃した。
なんて陰険なんだろう。
なんて酷いんだろう。
…アタシはどうしようもない悲しみに襲われた。
もしもこれが、カズくんと出会う前だったらアタシは案外乗り越えられたかもしれない。
…カズくんの…人間の優しさに触れてしまったから、余計に人間の汚い部分がイヤでイヤで仕方がなかったんだと思う。
そんなこと言う自分が本当は一番汚い人間なんだけどね…。
それでも何とか一日乗り越えて、どうしても独りになりたくて今日は美術室に向かわずに帰ろうとした時だった。
下駄箱に…アタシのローファーがなかった。
捜しても捜しても出てはこなかった。
だけど、ローファーがなければ帰ることもできない。
アタシは一生懸命捜した。
ゴミ箱の中…自転車置き場の裏のゴミ置き場。
だけど、体育館の傍の溝でそのローファーが見つかった時、アタシは落胆した。
白の修正機で酷い落書きがされてあった。
「キモい」「うざい」「死んでくれる?(笑)」
アタシは涙をこらえるようにそのローファーぎゅっとを抱きしめて校舎へと入っていった。
するとカズくんが階段を駆け下りてきた。
息を切らしながら、汗をいっぱいかいてアタシを見てにっこり笑った。
「どうしたんだよ、弥生。オレ校舎の中捜しまくってたんだけど、二週目よ?」
アタシはカズくんに見られないようにローファーを後ろに隠した。
「うん。ちょっと、いろいろあってさ。ごめんね、メールでも入れとけばよかったよね」
「ホントだよ。ケータイはつながんねぇし…って何?ソレ?」
カズくんはローファーを指差して言った。
アタシは開き直って、ニコニコしながらローファーをカズくんに見せた。
「あぁ、これ?なんかペイントされちゃったみたい」
カズくんの目の色が変わったことにアタシはすぐ気が付いた。