雨の日に、会いましょう。
はは、っと笑いながら髪を掻く彼は、その人柄のよさが外見からも滲み出てるようだった。
「雨の日は、発掘にもいけないのでこうして図書館に通うのが唯一の楽しみで。」
「そうなんですか。」
考古学、っていう事は
海世院大学の学生なのかな。
そう思っていた矢先、彼の後ろに並んだ学生が
「東先輩!」と彼に声を掛けた。
「あれ?楢崎。何してるんだ?」
「何ってほら、今度のレポート仕上げにですよ。」
「あぁ、そっか。」
彼らの会話を側で聞いていたあたしに気が付いた東さんが
「あ、すみません。後輩なんですよ。」
と何故かあたしに紹介してくれる。
とりあえず頭を下げたあたしに、学生も一礼して
「すみません、コピーしたいんですけどいいですか?」
と、カウンターの脇にあるコピー機に視線を向けた。
「あ、どうぞ!」
「すいません。」