雨の日に、会いましょう。
カチャカチャと食器がぶつかる音と、蛇口から流れる水の音がリビングに響き渡る。
「もーあんたは社会人になっても寝坊するんだから。」
愚痴をこぼすママを無視して洗ったばかりのグラスに水を注ぐ。
そして錠剤を口に含むと勢いよく水で喉の奥に押し込んだ。
「また頭痛いの?」
「…雨の日は、ね。」
洗い物途中のシンクにグラスを置く。
ママの仕事をまた一つ増やしたあたし。
「んじゃ、行ってくる。」
「こら、麗乃!ご飯食べて行きなさい!」
「いらなーい。」