雨の日に、会いましょう。
夜から降り続けた雨は
朝方には上がり、青空に変わった。
「…あんた、大丈夫?」
ママが心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「仕事、休んだら?頭痛ひどいんでしょ?」
「…平気。休めないし。」
そう…、とだけ呟いたママは
「晴れた日に頭痛なんて珍しいわね。」と続けてぼやいた。
そんなママに背を向けたまま玄関へと足を運ぶ。
ありがたい事に
晴れてくれたのが唯一の救いだ。
晴れた日に、東さんは来ない。
せっかく紹介してくれたカットモデルを
何も言わずに断ってしまったのだ。
…会いたくない。
なんて、本音じゃないけれどやっぱり顔を合わせずらくて。
容赦なく照らす太陽とは裏腹に、気落ちした心で駐車場へと歩き出した。