雨の日に、会いましょう。
ガランとした館内の中、あたしはせっせと本を並べてゆく。
今日、入荷したばかりの本にバーコードを貼り付けわかりやすく番号をふり、それをパソコンに入力する。
仕事に集中する事で、あたしは必死に元彼の事も
そして、東さんの事も振り払おうとしてた。
幸い、やる事だけはたくさんあったので
次々に仕事を進めて片付けてゆく。
今日を乗り切っても
明日がまたあるのに、それでも手を動かさずにはいられなかった。
「片丘さん、あたし休憩行くけど一人で平気?」
「あ、はい。どうせ、誰も居ないんで。」
ぐるりと館内を見渡した先輩は
「じゃ、遠慮なく。」と笑顔を浮かべる。
あたしもそれに笑顔で答えて再びパソコンに向き合った。