雨の日に、会いましょう。


「涼子から聞いたよ、全て。彼女も、君を思い出したって。」

「………。」


雲の切れ間から差す日差しが、やけに肌を熱くする。

半袖から出た腕を太陽から守るように反対の手で隠すあたしに
東さんは少し躊躇いがちに言葉を繋げた。


「何度か彼の家で君の写真を見掛けた事があるそうだ。」

「…そうですか…。」


聞きたくない。

だけど、この耳は東さんの声を必要としてる。


出来る事ならば、今すぐここから逃げ出して
誰もあたしを知らない所へ消えてしまいたい。


でも、それすら赦されないのは
あたしが東さんに惹かれているから。

だって、あなたに出会ってから昨日の昨日まで元彼を思い出す事なんて本当にほんの少しだけで。



3年も縛られていた過去から、あなたは

東さんは、あたしを連れ出してくれた。





なのに――――…




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