雨の日に、会いましょう。
この図書館の社員専用駐車場は、一般の人と分け合って使ってる。
その為か、たまに社員の駐車場に一般の車が停まってる事もよくあった。
…まーた停められてる。
指定されてるあたしの駐車場には、入口から近いせいかよく知らない車が停められる事が度々あった。
そのせいで何度、遠い場所に停めた事か。
…仕方ない、違う所に停めるか。
そう思いながらハンドルを回転させてバックしようとすると
ふいに窓を叩いた音にあたしの動きが止まった。
「すいませーん!」
ドア越しに聞こえる声は雨に紛れて小さくあたしに届いた。
雨に打たれた窓ガラスの向こうで、あたしを見つめる人の影。
その人はもう一度
「すみません、」そう言って窓を叩く。
あたしは少し躊躇いながらも窓ガラスを下げた。