雨の日に、会いましょう。
静かな図書館で
無数の足音と、本をめくる音だけが響く。
雨の図書館は、普段よりも特に閑散としていてそれが唯一、雨の日のいい所かもしれない。
「片丘さん、休憩入っていいわよ?」
「あ、あたし先に片付けちゃうので、お先にどうぞ。」
そう?と言った先輩は
「じゃあ、お先に。」と言ってバックヤードへと消えた。
それを見届けた後返却された本の山を、所定の場所へと戻しに行く。
と、名目を打って
読みたい本を物色するのが本当の目的。
だけどさすがに4年も勤めていれば、ここに置いてある本の半分は目を通したと言っても過言じゃない。
大して広くもないこの図書館で、目新しい本を見つけるのが最近は困難なのだ。
まぁ、後の半分は、特に興味が湧かなくてページを開く事すらしていないのだが。