好きと言えなくて
「おはようさん」
従業員の最年長、新居浜さんが三月いっぱいで退社する。口は少々悪いけれど、根は優しい人で、私は大好きやった。
新居浜さんは、いつものように店の前の掃除をして、水を撒いていた。
その後ろ姿を見るのも、今日が最後かと思うと寂しくなった。
「おはようございます」
ちょっとセンチメンタルな私の耳に、正義の、元気で明るい声が響いた。
「おはよう」
私が挨拶を返すと、正義が目をくりくりさせながら、にっこりと笑った。
今も、三年前も、あどけない表情はあまり変わらない。
正義の身体が、ほんの少し大人になっただけだ。
従業員の最年長、新居浜さんが三月いっぱいで退社する。口は少々悪いけれど、根は優しい人で、私は大好きやった。
新居浜さんは、いつものように店の前の掃除をして、水を撒いていた。
その後ろ姿を見るのも、今日が最後かと思うと寂しくなった。
「おはようございます」
ちょっとセンチメンタルな私の耳に、正義の、元気で明るい声が響いた。
「おはよう」
私が挨拶を返すと、正義が目をくりくりさせながら、にっこりと笑った。
今も、三年前も、あどけない表情はあまり変わらない。
正義の身体が、ほんの少し大人になっただけだ。