好きと言えなくて
こじれた果て
「なにもしてない。指一本触れてない」
「……そう」
「葉子さんこそ、西条さんとは?」
「ご飯食べただけって、言うたやろ?」
そう言うと、急に私から離れて、くりくりとした目をこちらに向けた。
「ほな、オレのこと……好き?」
……好き……。
でも、口に出して、言えない。黙って、くりくりとした目をみつめた。
「オレは、葉子さんが好きやで。葉子さんは、オレのこと、好き?」
「言わんでも……わかるやろ?」
ブツブツと、呟くように言うと、少し顔を傾けながら、笑顔で言った。
「わからんから、こじれたんやろ? オレら」
言われてみれば、そう。私が素直に『好き』と言えば、こじれなかったハズだ。
「……き」
「えっ?」
「だから……き」
「えっ? 聞こえへんで。葉子さん!」
小動物の目が私の言葉を待っている。『好き』のひと言を、待っている。
「……お腹すいてきた……」
「えっ? そっか。ほな、後で食べに行こう?」
「なんで後なんよ?」
「……タップリと葉子さんをいただいてから……」
そう言って、正義は甘い口づけをくれた。
私は黙って……うなづいた……。
「……そう」
「葉子さんこそ、西条さんとは?」
「ご飯食べただけって、言うたやろ?」
そう言うと、急に私から離れて、くりくりとした目をこちらに向けた。
「ほな、オレのこと……好き?」
……好き……。
でも、口に出して、言えない。黙って、くりくりとした目をみつめた。
「オレは、葉子さんが好きやで。葉子さんは、オレのこと、好き?」
「言わんでも……わかるやろ?」
ブツブツと、呟くように言うと、少し顔を傾けながら、笑顔で言った。
「わからんから、こじれたんやろ? オレら」
言われてみれば、そう。私が素直に『好き』と言えば、こじれなかったハズだ。
「……き」
「えっ?」
「だから……き」
「えっ? 聞こえへんで。葉子さん!」
小動物の目が私の言葉を待っている。『好き』のひと言を、待っている。
「……お腹すいてきた……」
「えっ? そっか。ほな、後で食べに行こう?」
「なんで後なんよ?」
「……タップリと葉子さんをいただいてから……」
そう言って、正義は甘い口づけをくれた。
私は黙って……うなづいた……。